3Dプリント技術で実現した次世代ミサイル

DIU、コスト削減と効率向上を目指した3Dプリント固体推進剤によるロケット打ち上げに成功

米国国防総省の一部門である Defense Innovation Unit(DIU)は、3Dプリント技術を用いた固体推進剤によるロケット打ち上げに成功したと発表した。この成果は、DIUの戦術的用途に適した低コストで迅速なロケット打ち上げ技術の開発と実証を目指す「TACTILE」プログラムの一環として行われ、固体ロケットモーター(SRM)などを製造する米国の宇宙技術企業 X-Bow Systems が中心的役割を担った。

2024年9月12日、X-Bowはニューメキシコ州ホワイトサンズ・ミサイル実験場で、3Dプリント技術を用いて製造された「XB-32」推進システムを搭載したロケットの打ち上げを実施。XB-32は、X-Bowがこれまでに飛行した最大規模の3Dプリント固体推進剤モーターで、約32,000フィートの高度とマッハ1.2の速度に達した。

TACTILEプログラムの目的は、まず3Dプリント製の固体推進剤の実現性を示し、その後商業的な大量生産に向けた最適化を図ることにある。今回の成功により、DIUは米国国内での固体推進剤の生産をコスト削減と迅速な対応が可能な形で再構築する可能性を示した。

DIUの宇宙部門ディレクターであるSteve Butow少将は「TACTILEプログラムを通じた3Dプリント推進剤の成功は、低コストで迅速に展開可能な亜軌道ソリューション、特に極超音速分野における重要な一歩です。この成果は3Dプリント技術のコスト削減と効率向上の可能性を示しており、今後の任務成功に向けたDIUと商業パートナーの連携の重要性を強調しています」とコメント。

DIUは、先進的な製造技術を持つ企業を事前に審査・承認し、国防総省およびその産業パートナーとの連携を促進することを目的とした「Blue Manufacturingプログラム」を今夏発表ているが、これは3Dプリント技術を含む先端技術の支援を目指している。


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