PET廃棄物から3Dプリントに最適な高純度PET素材へと再生する技術
2024年の世界経済フォーラムで「Technology Pioneer」に選出され、世界的に注目を集めるスイスのクリーンテック企業 DePoly が、廃棄されたPETプラスチックを高品質な再生原料に変換する新工場を開設する。この革新的な技術は、3Dプリンタ向けフィラメント材料の再生供給にもつながり、3Dプリント技術と循環型経済の融合を促進する可能性を秘めている。
PET(ポリエチレンテレフタレート)は、飲料ボトルや食品容器、衣類など、私たちの身の回りに広く使われているプラスチックである。しかしリサイクル率は依然として低く、地球環境に深刻な影響を及ぼしている。この課題に取り組むスイスのスタートアップ企業DePolyは、使用済みPETを石油由来のバージン素材と同等の品質にまで再生する独自技術を開発した。この技術は、熱や高圧を必要とせず、選別されていない廃棄プラスチックでも処理が可能だ。
この再生プロセスでは、PETをその原料であるモノマー(PTAとMEG)に分解。水ボトルからポリエステル製シャツまで、幅広い使用済み製品を高品質な原材料に変えることができる。
スポーツブランドOdloや成形メーカーPTIと連携し、実用化に向けたテストを重ねている同社は、現在スイス・モンテーに年間500トンのPETを再生可能な工場を建設中で、今夏の稼働開始を予定している。また、PETは3Dプリント業界においても重要なフィラメント材料として使われており、今後同社から提供される再生PETから作られたフィラメントやペレットの実用化が期待されている。
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