中国が軌道上で金属プリントに成功

中国が無人宇宙船上での金属3Dプリント実験に成功

中国科学院の研究チームは、将来の月面基地建設や長期宇宙ミッションで必要となる部品製造を見据え、無人の小型宇宙貨物船上で金属3Dプリント実験を実施した。

実験は中国科学院および同院力学研究所の研究者らによって行われ、無人の小型宇宙貨物船「軽舟」に搭載された装置を使い、微小重力環境で金属材料を積み重ねる造形が確認された。装置は地上からの指令で自律的に動作し、遠隔操作による開始と停止を複数回行いながら、レーザーと金属ワイヤーを使った造形プロセスを実施した。
地上では重力によって溶けた金属が事前落下し積層されるが、宇宙では液体化した金属が浮いたり、粒のように不安定になったり、冷え方が不均一になったりする。そのため、形状や品質を安定させるには高度な制御が必要となる。

この成果が注目される理由は、宇宙開発における「部品をすべて地球から運ぶ」という従来の考え方を変える可能性があるためだ。長期の宇宙滞在や月面基地の建設では、必要な工具、交換部品、構造材をあらかじめすべて積み込むことは難しいため、3Dプリント技術を使って現地で必要なものを作ることができれば、輸送コストを抑え、故障やトラブルへの対応力を高められる。

中国がこの分野に力を入れる背景には、月面開発への長期的な戦略がある。中国は嫦娥計画(中華人民共和国が国家的プロジェクトとして推進している月探査計画)を通じて月面探査や月試料の回収を進めており、将来的には月面に長期的な研究拠点を築く構想を持つ。2028年頃に打ち上げを予定している中国の月探査機「嫦娥8号」では、月の土を使って建設材料を作る3Dプリント関連技術の実証も計画されている。これは、地球から建材を運ぶのではなく、月にある資源を活用して建物や構造物を作る「現地資源利用」の考え方に基づくものだ。


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