- 2026-4-4
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メルボルン大学が菌糸体と3Dプリント技術で、樹洞に近い保温性を備えた鳥の巣箱を開発
メルボルン大学の研究者らは、生息地の減少に直面する野鳥を守ることを目的に、キノコ由来の素材を使用して樹木の空洞を人工的に再現した3Dプリンター製の巣箱を開発した。

この巣箱は、枯れ木などに自然にできる空洞のような環境を人工的につくり出し、野鳥が安心して巣作りできる場所を提供することを目指したものだ。近年は人間の開発や森林環境の変化によって、こうした天然の樹洞が大きく減少しており、多くの鳥が限られた営巣場所を奪い合う状況に置かれている。
これまではその代替手段として木製の巣箱を用いるのが一般的だったが、課題も多かった。例えば、より気性の強い鳥が小型の鳥を追い出してしまうことがあるほか、市販品の中には気密性や断熱性が不十分なものもあり、雨風が入り込みやすく、ヒナの生育に悪影響を与える場合がある。特に、寒さや湿気に弱いヒナにとって、巣の内部環境は生死を左右する重要な要素である。

この巣箱は、おがくずと植物由来の素材を用いて3Dプリンターで成形した後、霊芝由来の菌を成長させることで完成する。菌糸体が構造全体を覆うことで断熱性が高まり、内部環境を安定させる仕組みであり、素材を活用した新しいものづくりの形といえる。さらに、対象となる小型の野鳥に合わせて入り口を小さく設計し、他の大型種が侵入しにくい構造としている。
現在は、この巣箱と従来型巣箱を並べて設置し、利用率や内部環境、ヒナの成育状況などを比較検証している段階だが、3Dプリンターと生物素材を組み合わせることで、自然環境の再現性を高める新たなアプローチを示している。
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