3Dプリンターで進む新型宇宙エンジン

スイスの学生ロケット団体ARISが、3Dプリンター活用の回転デトネーションエンジン初号機を完成させる

スイスの学生ロケット団体 ARIS(Academic Space Initiative Switzerland)は、次世代の宇宙推進技術を目指し、回転デトネーションエンジン(Rotating Detonation Engine 以下 RDE)である「PEGASUS Gen1」の開発を完了した。現在は燃料を使わないコールドフローテストを進めており、今後は初回燃焼試験を予定している。

ARISはこれまで二液式ロケットエンジン「HEPHAESTUS」を開発してきた学生団体であり、本プロジェクトは初のRDE開発となる。RDEは、燃焼室内で高速の衝撃波を回転させながら推力を生み出す仕組みで、従来の燃焼方式より高効率が期待される技術である。
「PEGASUS Gen1」は約1kNの推力を想定し、爆轟波は最大毎秒2万回発生する設計となっている。水冷式の「Gen1-C」と非冷却の「Gen1-U」の2種類が開発され、いずれも内部コアを交換できる構造を採用している。

製造には3Dプリンターが活用され、特に水冷式では銅・ニッケル・シリコン合金による金属3Dプリント技術が採用された。3Dプリンターを用いることで複雑な内部構造を一体成形できる点は、従来加工では難しい設計を実現するうえで大きな利点である。実際の製造では複数企業が関わり、3Dプリント技術と従来加工を組み合わせて完成に至った。

今回の取り組みは、3Dプリンターを活用した宇宙開発が学生レベルまで広がっていることを示しており、今後の航空宇宙分野や高性能機器開発への応用にも期待が高まる。


関連記事

3DP id.arts の最新投稿をお届けするニュースレターへの登録はこちら

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でid.artsをフォローしよう!

     

ページ上部へ戻る