3Dプリント技術の大型化で課題だった精度と速度の両立に向け新特許を出願
西オーストラリアを拠点とするスタートアップ Hyperion Systems は、大型3Dプリンターの性能向上を目指し、押出機と動作機構を分ける新しい3Dプリント技術の特許を出願した。大型造形では、材料を押し出す装置が重くなるほど速度や精度が落ちやすいが、今回の技術はその弱点を見直し、大きな部品をより効率よく作るための新しい設計として注目される。

FFF方式の大型3Dプリンターでは、材料をたくさん押し出すために強力な押出機が必要になるが、条件を持たす押し出し機は非常に高重量となるため、ヘッドに搭載すると可動部分が重くなり、速度や精度が落ちやすい。反対にヘッドを軽くすると、材料の流れを安定して制御しにくくなり、この両立の難しさは、大型3Dプリント技術で長く課題になってきた。
今回出願された特許は、この問題に対し、材料を溶かして送る押出機を中央に置き、そこから加熱した配管を通じて各ヘッドへ材料を送る仕組みを提案している。ヘッド側は軽いノズルと流量調整機構だけを持つため、動きやすさを保ちながら、大量の材料を扱える可能性がある。つまり、重い装置を動かすのではなく、材料だけを運んで軽いヘッドで造形する考え方である。
さらに注目点は、ヘッドの近くで流量を細かく調整する仕組みを備えていることだ。これにより、遠くから材料を送る方式でも、ノズル付近で吐出量を制御しやすくなり、造形の安定性や仕上がりの向上が期待される。特許には、ノズルの開口幅を変えて粗い造形と細かな仕上げを切り替える構想や、表面の凹凸を抑える機構、複数ヘッドで同時に造形する案も盛り込まれている。
また、内部構造についても、材料を並べて空間を作り、そのすき間に別の結合材を入れて補強する考え方が示されている。これが実用化されれば、軽さと強さを両立した大型部品の製造につながる可能性があり、建築、船舶、防衛、産業設備など、大きくて強度が必要な分野への適用が期待できる。一方で、この技術はまだ特許段階であり、商用機として完成したわけではない。長い配管の中で圧力や温度を安定させること、材料交換時の洗浄、複数ヘッドの同期制御など、実用化に向けた課題は多い。
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