海の中で造る未来、水中3Dプリント技術誕生

特殊コンクリートと3Dプリント技術が実現する水中建設の新たな可能性

米国屈指の名門校であるコーネル大学(Cornell University)の研究チームは、海中で直接構造物を造形できる革新的な水中3Dプリンターの開発を進めている。

海中での建設やインフラ補修は、これまで潜水作業員による大規模工事が不可欠であり、高コストかつ危険を伴う作業とされてきた。こうした課題を根本から変えるためコーネル大学の研究チームが開発しているのが、水中環境に対応した新しい3Dプリント技術である。
この水中3Dプリンターの最大の特徴は、海水中でも形を崩さず積み重ねられる特殊なコンクリート材料にある。従来のコンクリートは水に触れると流れてしまい、正確な造形が難しかったが、研究チームは海底の堆積物を材料の一部として活用することで、水に洗われにくく、なおかつポンプで送り出せる柔らかさを両立させることに成功した。

この技術により、港の桟橋や橋脚、海底パイプライン周辺などを現場で直接3Dプリントしながら補修・補強できるようになる。大型機材の設置や大規模掘削が不要となり、工事費の削減と作業者の安全確保を同時に実現できる点が大きな強みである。

研究チームは次の段階として、複雑なアーチ構造を水中で3Dプリントする実証試験を予定している。この試験が成功すれば、補修用途にとどまらず、本格的な水中構造物の建設そのものが可能になると期待されている。

水中3Dプリンターと3Dプリント技術の進化は、老朽化が進む世界中の海洋インフラ再生に大きく貢献するだけでなく、将来的には海洋エネルギー施設や海中居住空間といった新産業の創出にもつながる可能性を秘めている。


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