米軍がブラックホーク搭載3Dプリンターで飛行中にドローン部品を製造
米インディアナ州陸軍州兵がUH-60ブラックホークに3Dプリンターを搭載し、飛行中にドローン部品の製造に成功した。これは軍事分野初の試みであり、過酷な環境でも動作する3Dプリント技術の進化を示す画期的な成果となった。
兵士は、Craitorが開発した「FieldFab Expeditionary」3DプリンターをUH-60ブラックホークに搭載し、飛行中に無人航空システム(UAS)用部品の3Dプリントに成功した。この装置は、気流の乱れや温度変化、飛行時の振動といった過酷な条件でも稼働できるよう設計されている。電力はSentient Industriesの「METEOR Quiet Tactical Power」によって供給され、飛行中でも安定した稼働を実現した。
従来の軍事作戦では、部品の不足や供給遅延が作戦遂行に大きな影響を与えてきた。しかし今回の成果は、兵士が移動中に必要な部品をその場で製造する可能性を示している。これにより補給路への依存度が低下し、戦場での即応性と柔軟性が飛躍的に向上する。
試験を指揮したマシュー・ライムベリー中佐は「これは始まりに過ぎません。研究室の技術を現場に移し、兵士の手に届けることが重要です」と述べ、軍事分野における3Dプリント技術の発展が今後さらに加速することを示唆した。
この実証実験は、商用3Dプリンター技術が軍事利用に迅速に転用可能であることを証明し、航空宇宙・防衛分野における3Dプリント技術の新たな地平を切り開いたといえる。
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