NATO採用へ、UltiMakerの新3D技術

UltiMakerが防衛・航空宇宙分野向けに高セキュリティ3Dプリンターを発表

欧州を代表する3Dプリンターメーカー UltiMaker は、防衛や航空宇宙分野向けに特化した新製品「Secure Line」を発表した。セキュリティを最優先に設計されたこのシリーズは、軍事基地や艦艇など高セキュリティ環境での3Dプリント技術活用を可能にし、サプライチェーンのリスクを軽減する分散型製造の実現を目指す。

UltiMakerは、新たに「S6 Secure」と「S8 Secure」の2機種を中心とする防衛用3Dプリンターシリーズ「Secure Line」を公開。これらは既存のSシリーズを基盤に、国際的な防衛IT基準に準拠した強固なサイバーセキュリティ対策を組み込み、軍事現場での安全な利用を可能にしている。
特徴的なのは、Wi-Fiや外部接続を排した「USBのみ」のワークフローだ。これによりデータ流出や不正アクセスのリスクを根本から排除する設計となっており、暗号化されたファイル処理、改ざん防止ファームウェア、ハードウェア封印など、フィールド展開に耐える多層的な保護機能を備えている。

さらに、UltiMaker独自の「Cheetahモーションプランナー」や高流量プリントコア、改良されたフィーダーシステムを搭載し、従来比で最大4倍の生産性向上と高品質な造形を両立。マーケットプレイスを通じて多様なエンジニアリング用ポリマーが利用可能であり、複数素材を組み合わせた3Dプリントにも対応する。
これらの製品はオランダ・ザルトボメルの工場で製造され、防衛・航空宇宙分野の認定ユーザー向けに限定提供される。すでにNATO加盟国の一部組織でUltiMaker製品が採用されており、「Secure Line」はその信頼性をさらに拡張する存在となっている。


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