金属有機構造体と3Dプリント技術で、空気中の水分を安全な飲料水へ変換する携行型デバイス
ミュンスター応用科学大学の卒業生2人が、金属有機構造体(MOF)と3Dプリンターを組み合わせた携行型デバイス「Water from Air」を開発した。開発された試作機は、2時間のサイクルで空気中の水分を集め、1日最大6リットルの飲料水生成する。
学生達は、世界で20億人以上が安全な飲料水を得られない現状に対応するため、空気中の水分を利用する携行型装置「Water from Air」を開発した。「Water from Air」は、持ち運べる一体構造の採水・貯水ユニットで、上部には空気のスポンジと称される「MOF(金属イオンと有機配位子からなる多孔質材料)」を収納し、開放状態で水分子を吸着、密閉して凝縮させ、下部の3Dプリント製カラフェ(ピッチャー)型タンクに自然落下で回収する。
装置は2時間を1サイクル(吸着1時間+凝縮1時間)として、24時間で最大6リットルの飲料水を得ることができるという。
容器下部は、透明PETG材料とFDM方式3Dプリンターで製作し、中間部品には着色PETGを採用。容器本体と蓋はSLAで精密成形し、持ち手ベルトとバルブはシリコーンで成形されている。3Dプリンターによるモジュール設計は、現地での部品交換・改修を容易にし、分解清掃やメンテナンス性を高める。
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