画像を多色フィラメントで絵画化「Chroma Canvas」登場

画像を自動で色分解し多色フィラメントプリントするBambu Lab「Chroma Canvas」ベータが限定公開

Bambu Lab は、デジタル画像を多色フィラメントを用いて“絵画”のように変換する新ツール「Chroma Canvas」のクローズドベータを開始した。
「Chroma Canvas」は、予め用意されたフィラメント色パレットを画像へ適用し、特定領域の色を抽出・再配色する機能を備える。ベータ版はオンライン申込による限定招待制で、目的は幅広いユーザーからのフィードバック収集としている。

この発表直後から、3Dプリント愛好者が集まるReddit上では活発な議論が起こった。
ソフトウェア開発者であり、3Dプリンティング愛好家としても活動するStephen (Steve) Lavedas 氏が開発したソフト「HueForge(ヒューフォージ)」と比較し、「HueForgeを支援すべき」とする声や、「競合が出ることでHueForgeの改善が進む」など、様々な声が寄せられている。実際にベータに参加したユーザーからは「とても使いやすい」「HueForgeよりシンプル」との感想が寄せられており、簡便さが強みとされる一方、機能の深さや商用利用条件については今後の検証が必要とされている。

比較対象となる「HueForge」は、グレースケール画像を層ごとに最適化して多色表現を実現するソフトで、既に広く普及している。ただし商用利用に関するライセンス条項には賛否があり、「利用制限が厳しい」との批判も見られる。こうした背景から、Bambu Labの参入は「シェルロッキング(大手が小規模開発者の機能を取り込むこと)」とする批判もあれば、「参入障壁を下げることで市場全体を拡大させる」と肯定する意見も出ている。

さらに、業界全体では色表現ソフトの進化が加速している。Prague発のAdditive Appearanceは「PrismSlicer」を発表し、ボクセル単位での設計やリアルな色再現を可能にした。一方、Prusa Researchはブラウザベースで手軽にスライスできる「Prusa EasyPrint」を公開し、初心者でも3Dプリントに入りやすい環境を整えつつある。こうした流れの中で、「Chroma Canvas」は“簡単に始められる多色表現”を前面に打ち出しており、今後の展開に注目が集まる。

HueForge

Bambu Labは一般公開の時期を明示していないが、多様なユーザーからのフィードバックを重視する姿勢を示している。今後は機能の充実度、商用利用に関する明確なルール、価格や互換性といった要素が、ユーザーにとって重要な判断材料となるだろう。


PrismSlicer


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