ウクライナ軍、3Dプリンタでドローンを量産

3Dプリンタが戦局を変える⁈ウクライナの迎撃ドローンが大量生産体制へ

ロシアとの戦争が長期化する中、ウクライナでは3Dプリンタを用いた迎撃用ドローンの生産が急加速している。低コストかつ短納期で量産可能なこの3Dプリント技術は、ロシア軍が大量投入する無人機「Shahed-136」(ロシア名:Geran-2)に対抗する切り札として注目を集めている。中でも、ウクライナ軍のために設立された非営利団体 Wild Hornets が開発した「Sting」ドローンは、その高速性と費用対効果の高さから国際的な関心を集めている。

Wild Hornetsの3Dプリント製スティング・ドローン

ロシアが導入する「Shahed-136」は、長距離飛行が可能な巡航型兵器としてウクライナ全土を脅かしている。2025年6月だけで5,000機以上、7月8日には1日で700機超のドローンが投入され、かつてない規模の空中戦が続く中、ウクライナ側の迎撃体制が問われている。
ウクライナはこれに対抗する形で、迎撃専用ドローンの量産体制を強化。Wild Hornetsが開発・運用する「Sting」ドローンは、3Dプリンタによる成形部品を用いることで、1日あたり100機の生産能力を確保。
このドローンは、時速160km以上、最大高度3,000mという性能を誇り、熱センサーやVR操縦技術を駆使して、空中でのドッグファイトのような迎撃を実現。3Dプリンタを活用することで、設計変更や部品供給の迅速化が可能となり、戦況の変化に柔軟に対応できる。

Wild Hornetsの3Dプリントファーム

ドローン製造に使用されている3Dプリンタは、Elegoo や Bambu Lab 製のFDM/FFF方式プリンタで、シャーシや外装部品の多くを樹脂素材で製造。その結果、1機あたりの製造コストは1,000〜5,000ドルに抑えることができる。
Wild Hornetsは、バッテリーの自社製造や回路基板の自動実装機も導入し、製造の内製化・分散化を推進。現在では部品の約65%をウクライナ国内で調達しており、継戦能力の維持にも寄与している。
ゼレンスキー大統領も7月のSNS投稿で、Wild Hornetsなどの活動を賞賛。過去1週間で数百のShahedを撃墜したとし、「迎撃ドローンの活躍は著しい」とコメントしている。


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