英陸軍、攻撃ドローン製造に「Bambu Lab」3Dプリンタを導入

最前線の戦地で即時製造、英陸軍が「Bambu Lab」3Dプリンターでドローンを製造し実戦投入

英陸軍は、ケニアで実施された大規模軍事演習 Exercise Bull Storm において、Bambu Lab の3Dプリンターを用いて、現地で攻撃用ドローンを製造・配備した。3Dプリンターを導入することにより、1機あたりの製造コストが従来の5分の1に削減され、戦場における3Dプリント技術の即時運用の可能性が大きく広がっている。

演習中に製作された3Dプリントドローン(背後にはX1-Carbon)

今回製造されたのは、エディンバラのドローン企業が提供する「Dirk 5 FPV」モデルで、設計データは電子メールで現地に送信され、携帯型発電機で駆動させたBambu Labの3Dプリンター「X1-Carbon」を用いて、5機のドローンと予備パーツを3Dプリントした。
プリントされたドローン用パーツは、王立電気機械技術兵(REME)が電子機器やバッテリーを組み込み、わずか数時間で飛行可能な状態に仕上げた。

Bambu Labで3Dプリント中のFPVドローン

この演習には1,400名の兵士が参加し、偵察・攻撃・監視などにドローンを活用。模擬戦闘では、従来の迫撃砲の代わりにFPVドローンが主力火器として活躍し、高い命中率を記録した。
指揮をとった第3ライフル連隊F中隊のスティーブン・ワッツ少佐は「将来的には前線のすぐ後方に3Dプリント施設を設置し、食料や弾薬と同様にドローンを日常的に補給できる体制を整えたい」と語っている。
実際の現場では、温度管理や電源供給など、過酷な環境下での課題も浮き彫りになったが、現地製造のスピード、コスト、柔軟性といった利点が証明された形だ。

ウクライナで配備された3Dプリントドローン

3Dプリントによる戦術用ドローンの活用は、すでにウクライナ紛争でも進行中であり、非営利団体 Wild Hornets は、Bambu Labの3Dプリンターを使い、1日最大100機の迎撃用ドローンを製造している。また米国の Firestorm Labs も、現地でドローン機体を製造できるモジュール型マイクロ工場の展開を進めており、米空軍から約100億円規模の契約を獲得している。
3Dプリンターによるドローンの現地生産は、現代戦における即応力と機動性を飛躍的に向上させる可能性を秘めており、今後さらなる導入拡大が期待される。


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