中国の公園に設置された3Dプリント製遊具

中国・済南市に子供も大人も楽しめる洞窟型3Dプリント製遊具が設置される

中国・済南市に完成した「Boulder Park」は、総面積4,000平方メートルにおよぶ公共遊具施設で、中心となる巨大な洞窟型の遊具は3Dプリント技術によって造形されている。中国の建築設計事務所 XISUI Design と、3D建設プリント企業 Guanli Intelligent Technology による共同プロジェクトとして誕生したこの施設は、デジタルと自然が融合した新しい遊び場として注目を集めている。

この公園には、年齢を問わず利用できる「オールエイジ・ボルダープレイグラウンド」、自然を生かした「フォレストガーデン」、そして水と遊ぶ「ウォーターガーデン」の3つのゾーンが設けられており、それぞれが自然素材や地形を活かして構成されている。

特に注目されているのが、3Dコンクリートプリンターで製作された不規則で滑らかな形状の洞窟状遊具で、これらの構造物は、型枠を必要とせず、デジタルモデルに基づいて積層的に造形されており、滑り台やトンネル、階段などの機能が一体化されている。これは従来の建築では困難だった曲面造形と多機能性を、3Dプリンターによって同時に実現した好例である。

構造的には、中国の標準的な構造コンクリート(C40)を上回る50MPaの強度を達成しており、耐久性や安全性の面でも優れている。さらに、角のないデザインや広い空間設計により、子どもから高齢者まで安心して利用できるよう配慮されている。

XISUI Designは、3Dプリント技術が公共空間に与える可能性について、「建築に比べ、景観構造物は軽量で小規模なため、新しい製造技術の実験場に適しています」と述べており、今回の事例は、都市空間における3Dプリント技術の実用化を後押しするモデルケースとなりうる。


関連記事

3DP id.arts の最新投稿をお届けするニュースレターへの登録はこちら

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でid.artsをフォローしよう!

     

ページ上部へ戻る