応力で色が変わる3Dプリント材料

ペンシルベニア州立大学、応力で色が変わる液晶エラストマーを開発

米国のペンシルベニア州立大学(Penn State)の研究チームは、外部からの力で色が変わるスマート素材「コレステリック液晶エラストマー(以下 CLCE)」を、3Dプリンターで立体造形することに成功。この革新的な3Dプリント技術により、センシングやディスプレイ、ロボティクス分野における新たな応用が現実のものとなる。

CLCEは、昆虫の外殻のように光を反射する特性を持ち、機械的な刺激に応じて色を変える能力がある。研究チームを率いる材料工学部門の主任研究者Shu Yang教授は「この技術は、医療、診断、モニタリング、さらにはアート分野にも応用可能であり、産業界のさまざまな課題を解決する可能性を秘めています」と述べている。

CLCEは非常に粘性が高いため、3Dプリントノズルから押し出すと、色変化のもととなる「ねじれ構造」が壊れてしまう問題があった。そこで研究チームは、「同軸ダイレクト・インク・ライティング(Coaxial DIW)」と呼ばれる新しい3Dプリント手法を用いて粘度と流動性のバランスを最適化。さらに、透明なシリコンシェルを外層に使いて、内部にCLCEを封入するという独自構造を開発。これにより、従来難しかった安定かつ変色可能な構造を高精度に造形することが可能となった。
これにより、ストレスを“色”で可視化する次世代センサーや、生体に近い柔軟なロボティクスパーツの製造といった幅広い応用が期待されている。


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