- 2025-3-26
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Bambu Lab、3Dプリント技術と複合加工を融合した次世代3Dプリンタ「H2D」をリリース
深圳に拠点を置く3Dプリンタメーカー Bambu Lab は、同社の最新モデルであるオールインワン型3Dプリンタ「H2D」を正式に発表した。「H2D」は、これまでにない高性能・多機能・高精度を融合させたデスクトップ製造機であり、ものづくりの可能性を広げたいすべてのユーザーにとって、見逃せない製品となっている。
H2Dは、Bambu Lab史上最大の造形サイズ(最大350×320×325mm)を誇り、デュアルノズル方式による高精度な3Dプリントを実現。1,000mm/sのツールヘッド速度と20,000mm/s²の加速度により、従来よりもはるかに高速な造形が可能となっている。また、65°Cの加熱チャンバーと350°Cの高温ノズルにより、カーボンファイバーやガラス繊維強化樹脂などの先進フィラメントにも対応。これまで業務用に限られていた高機能材料を、デスク上で自在に扱えるようになる。
デュアルノズルプリントヘッド内部
Bambu Lab独自のDynaSenseエクストルーダーや永久磁石型サーボモーターを採用することで、トルク・速度・位置の精密制御が可能。加えて、AI支援によるノズルカメラと15基のフィラメント監視センサーを備え、材料詰まりやエラーの早期検出、造形品質の一貫性を実現している。
さらに、渦電流方式を利用した自動ノズルキャリブレーション技術は、デュアルノズル環境での手動調整を不要とし、ユーザーの操作負担を大きく削減。これらのテクノロジーにより、H2Dはプロフェッショナル用途から個人のクリエイターまで、幅広い層にとって3Dプリント技術をより身近かつ実用的なものへと進化させている。
左から10Wレーザー、デュアルノズルヘッド、カッティングモジュール、ペンホルダー
H2Dに搭載されたレーザー加工機能
AMS 2 ProとAMS HTを搭載したH2D Laser Full Combo
さらに注目すべきは、3Dプリント機能にとどまらず、レーザー切断・彫刻、デジタルカッティング、ペン描画機能も統合されている点である。10Wと40Wの2種類のレーザー出力に対応し、木材、革、アクリル、ゴム、金属など多様な素材への加工が可能。さらに、高精度カメラによる自動位置調整技術(Live Spatial Alignment)により、複数のツールを高精度かつシームレスに切り替えることができ、より複雑で自由な製造工程を構築できる。
Bambu Lab H2Dによるレーザー彫刻
また、紙・ビニール・革などへのデジタルカットや、300×255mmのエリアでのペン描画にも対応。素材に合わせたカットマットも付属し、プロフェッショナル用途にも対応。これらの多機能を一つの筐体に集約したH2Dは、3Dプリントの枠を越えた包括的なデジタルファブリケーションツールとして、新たな製造スタイルを提示している。
H2Dによるデジタルカットとペイント
H2Dシリーズは、基本モデルからフル機能搭載モデルまで、用途やニーズに応じて選べる4種類をラインアップ。価格は1,899ドル(約286,000円)から3,499ドル(約527,000円)で、AMS乾燥機能付きモデルやレーザー統合モデルなどがラインアップされている。特に、プロフェッショナル用途を想定した「AMS HT」は、85°Cでの乾燥や高剛性素材対応により、エンジニアリンググレードの3Dプリントにも最適なハイグレードモデルとなっている。
現在、AMS乾燥機能付きモデルやレーザー搭載モデルの先行予約が受付中で、発送は2025年4月末より開始予定。ベーシックモデルは6月に発売される。
※ 2025年3月26日現在、日本国内における販売開始時期や価格は未定となっている。
H2D シリーズラインアップと価格
- H2D(基本モデル):1,899ドル
- H2D AMS Combo:2,199ドル
- H2D Laser Full Combo (10W):2,799ドル
- H2D Laser Full Combo (40W):3,499ドル
Bambu LabのCEOであるYe Tao博士は「H2Dは、従来の付加機能付き3Dプリンタとは異なる、全く新しいカテゴリーの製品です。多機能性と品質を両立し、あらゆる機能で卓越することを目標にこの製品を開発しました」と語っている。
H2D 基本スペック
- ビルドボリューム(幅×奥行き×高さ):325×320×325 mm³
- レーザ保護ウィンドウ:レーザーエディションに搭載
- エアアシストポンプ:レーザーエディションに装備
- 本体寸法:492×514×626 mm³
- 本体重量:31kg
- 最大ノズル温度:350℃
- 対応ノズル径:0.2mm、0.4mm、0.6mm、0.8mm
- フィラメント径:1.75ミリメートル
- エクストルーダーモーター:高精度永久磁石同期モーター(PMSM)
- 対応ビルドプレート:テクスチャPEI、スムースPEI
- 最大ヒートベッド温度:120℃
- ツールヘッドの最大速度:1000 mm/s
- ツールヘッドの最大加速:20,000 mm/s²
- ホットエンドの最大フロー(標準フローホットエンド):40 mm³/s
- ホットエンドの最大フロー(高フローホットエンド):65 mm³/s
- チャンバー加熱最大温度:65°C
- プレフィルター等級:G3
- HEPAフィルター等級:H12
- 電圧:100-120 VAC / 200-240 VAC、50/60 Hz
- 最大出力:2200 W@220 V / 1320 W@110 V
- タッチスクリーン:5インチ 720×1280
- レーザータイプ:半導体レーザー
- 波長:455nm ± 5nm
- レーザーパワー:10W、40W
- レーザースポット寸法
10W:0.03×0.14 mm
40W:0.14×0.2 mm - 最大彫刻速度
10W:400 mm/s
40W:1000 mm/s - 最大切断厚
10W:5 mm
40W:15 mm - 彫刻エリア
10W:310×270 mm
40W:310×250 mm - XY位置決め精度:< 0.3 mm
- Z高さ測定方法:マイクロライダー
- 彫刻でサポートされている素材:木材、ゴム、金属板、皮革、ダークアクリル、石など
- 切断エリア:300×285 mm²
- 描画領域:300×255 mm²
- 対応ペン径:10.5~12.5 mm
- 最大切断厚さ:0.5 mm
- 切断でサポートされている素材:紙、ビニール、皮革など
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