ニコン、JAXAと共同で宇宙向け金属3Dプリント技術を推進

ニコン、JAXAの宇宙戦略基金プロジェクトで日本初の大規模金属3Dプリンティングシステムを開発

光学機器メーカー Nikon(ニコン)は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が公募する令和6年度宇宙戦略基金(SSF)事業において、技術開発テーマ「宇宙輸送機の革新的な軽量・高性能化及びコスト低減技術」の実施機関に採択されたことを発表した。
本プロジェクトは「軽量・高性能・低コストな宇宙輸送システムのための革新的技術」をテーマとし、宇宙用途向けのアディティブ・マニュファクチャリング(AM)技術の向上を目指している。

この取り組みには、日本の主要企業や大学が参加し、それぞれの技術分野での専門知識を結集。主な目標は、高精度・低コスト・短納期で宇宙用途の部品を製造可能とする金属AMソリューションの開発と実証である。特に、日本初となる大規模金属3Dプリンティングシステムの導入により、世界の宇宙製造市場での競争力強化を図るとしている。
本技術開発プロジェクトの最終目標は、航空宇宙分野における大規模金属AMの基盤を確立することであり、これには、炭素繊維強化プラスチックの普及や革新的な金属3Dプリンティング手法を支えるための装置やコア技術の開発が含まれる。

宇宙戦略基金は、日本の内閣府が複数の政府機関と連携して管理しており、航空宇宙分野全体の長期的な技術進歩を支援。この基金は、スタートアップ企業、民間企業、学術機関に対し、輸送、衛星技術、宇宙探査など3つの主要分野での先駆的な研究を追求するための資金を提供。最大10年間の野心的な技術開発を促進するよう構成されており、市場の拡大、社会的課題への対応、宇宙探査の限界を押し広げるというJAXAおよび日本の広範な宇宙戦略と一致している。

採択案件の概要

  • 技術開発テーマ:宇宙用途に適用可能な精密部品を対象とした金属3D積層に係る装置開発及び基盤技術開発
  • 技術開発テーマの目的:宇宙輸送機の大型構造体や部品における、熱可塑性複合材の適用拡大を通じた革新や、金属3D積層技術の活用拡大を通じた高品質化と造形プロセスの革新を図るための基盤技術の確立に取り組む。
  • 技術開発テーマの目標:ロケットエンジン等の大型かつ精密さを重視する宇宙部品の金属3D積層による製造技術を確立するとともに、これらの製造を可能とする装置開発の基盤技術を確立する。
  • 技術開発課題の名称:将来ロケットへ搭載可能な大型精密部品への金属3D積層技術の確立
  • 技術開発課題の概要https://fund.jaxa.jp/content/uploads/kekka1_B-1.pdf

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