- 2024-12-10
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- 3DPrinting, 3Dプリンティング, MIT, テクノロジー
MIT、エイの濾過機能に着想を得た3Dプリント浄水フィルターを開発
マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究チームは、エイのユニークな摂食機構にヒントを得て、3Dプリント技術を用いた革新的な浄水フィルターを開発した。オニイトマキエイ(マンタ)は、海中を泳ぎながら口に入り込むプランクトンをろ過し、同時に呼吸も可能にする巧みな仕組みを備えている。この仕組みを詳細に解析した研究チームは、エイの口内部に並ぶ櫛状の構造を模倣し、水流と粒子分離を最適化するフィルターデザインを考案した。
エイの口の底面には、左右に平行な櫛のような構造物(プレート)があり、水をエラに吸い込む仕組みになっている。これは流れに平行な膜面(フィルター)に水を送り込み、流体のみを通過させて粒子を分離する手法であり、エイの場合、わずかな流速の変化によって水中に小さな渦が生じ、この渦が粒子をフィルターから押し返し、より効果的な分離を実現している。研究者らは、エイが自然界で到達した高い透過性と選択性を、人為的なろ過システムにも応用可能であることを示した。
本研究では、エイのろ過構造物を模した3Dプリント製パーツを使用し、水流条件や粒子挙動を実験的に解析。チームはこれらの実験結果を基に設計図を作成し、マンタの構造と類似した工業用クロスフローフィルターの最適化に役立てることができると述べている。このアプローチは、従来の技術では困難とされてきたエネルギー効率とろ過精度の両立が可能になり、将来的には水処理をはじめとするさまざまな分野での応用が見込まれる。
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