国防総省が3Dプリント部品の競争入札契約を締結

米国防総省の物流機関がF-15戦闘機用部品を対象に3Dプリント部品の初の競争入札契約を締結

米国防総省の主要物流支援機関である国防兵站局(DLA)は、3Dプリント技術を活用した部品の調達において初の競争入札契約を締結した。今回の契約は、F-15ストライクイーグル戦闘機用のパイロンバンパーを対象としており、民間の製造業者が1300個の部品を3Dプリントする。

DLAは、約6ヶ月間の調達プロセスを経て競争入札を実現。この成功の背景には、空軍が提供したデータパッケージがあり、入札に参加する業者が必要な設計情報を入手しやすくなった。また、1300個という規模の大きな発注数は、多くの業者にとって魅力的な条件となった。
今回発注されるパイロンバンパーは、F-15のエンジン構造を損傷から守る重要な部品である。当初この部品はティンカー空軍基地にあるラボで製造されていたが、同施設の製造能力の占有を防ぐことを目的に、民間企業への委託を実施した。

2019年から民間企業と協力し、国防総省の大規模な3D部品ファイルの蓄積・管理を進めてきたDLAの取り組みは、今回の契約締結により、数百点超の部品に拡大することが期待されており、米国防衛産業における3Dプリント技術の発展を加速させる可能性がある。この動きは、軍にとって3Dプリント部品の調達が容易になるだけでなく、サプライヤーにとっても販売のハードルが下がり、部品のコスト削減にもつながる可能性が高い。さらに、このプロセスは災害救援など他の連邦政府機関にも広がる可能性が期待されている。

DLAのAM造形プログラムマネージャーであるトニー・デルガド氏は「今回の取り組みを通じて、オープンな競争環境で3Dプリント部品を調達できることを実証できました。これにより業者間の競争が活性化し、選択肢が広がるでしょう」と述べている。


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