- 2023-5-8
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東京大学とBrule Incが共同で「3Dプリンティング・アドバンスド・テクノロジーセンター」を開設
世界をリードする学術機関である東京大学と、国内有数の3Dプリンタソリューションプロバイダーである Brule Inc. は共同で、東京大学内に新たな技術開発のための「3Dプリンティング・アドバンスド・テクノロジーセンター(以下 3D PATC)」を開設した。
この先進的な研究施設は、東京大学の学生や教職員だけでなく、他の学術機関やものづくり企業にも開放されることで、3Dプリンティング(Additive Manufacturing)技術を活用したイノベーションの促進を目指している。
2023年4月21日に開催されたオープニングセレモニー
セレモニー後のセンターの様子
3D PATCの基本コンセプト
3D PATCは、3Dプリンターを用いた製品開発や研究活動を支援することを目的としており、東京大学とBrule Incが連携して運営。東京大学の学生や教職員はもちろん、その他の学術機関やものづくり企業などの関係者もこの施設を活用することができるようになっている。
同センターに導入された Desktop Metal Studio System 2
3D PATCには最新の3Dプリンタ機器やソフトウェアが導入され、ハイクオリティな製品開発が可能になるだけでなく、このセンターを通じて、3Dプリント技術の普及と発展に向けた研究や交流が促進されることが期待されている。
AM技術の急速な進歩と広がる適用範囲
近年、3Dプリンティング(Additive Manufacturing)技術は目覚ましい進歩を遂げている。一時期のブームは去ったものの、造形の形式や材料の進化は続いており、高性能な機器が次々と登場している。この急速な進化により、医療、航空、自動車、建築など、産業界の様々な分野で活用されるようになり、幅広い業界で3Dプリンティング技術が革新をもたらしている。これらの特徴から、素早い情報のキャッチアップと提案が業界にとって必須となっており、企業は最新のAM技術の動向を把握し、それを自社の製品開発やサービスに活用することで、競争力を維持・向上させることが求められている。
そこで同センターでは、利用者の様々な要望に沿えるよう新たなプロセスの開発を通じて、より高度な製品の製造や技術研究の拡大を目指している。
大学における3Dプリント技術の活用と運用上の課題
大学におけるAM技術の普及には、幾つかの課題が存在する。
まず、3Dプリント技術の進化は急速であり、数年ごとに新機種が登場し、使用する材料もその都度変化する。このため、大学内で複数の機種を一人で扱わなければならないなど職員が不足しており、すべての機種に習熟するのが難しい状況にある。加えて、大学内で同一の3Dプリント機種を使うユーザーを確保することは困難であり、ユーザの需要にも季節性があるため、特定の時期に受注が集中し、他の時期には機器が余剰となる問題が生じている。
このような課題に対処するためには、リースやデモ機を活用した機器導入が効果的であり、さらに外部ユーザーの受け入れを推進することが求められている。
学内では従来とほぼ同じ、学外からはサービスビューロに近い運用
そこで東京大学とBrule Incは、工学系研究を牽引する新たな拠点として3D PATCを共同で運営し、切削加工、放電加工、機械加工技術をはじめとする従来の製造技術に加え、3Dプリンタやデジタルファブリケーション技術を活用した研究・教育を積極的に行い、先端技術を駆使した革新的なものづくり環境の実現を目指している。
また同センターでは、最先端の3Dプリンティング技術を活用した研究と、次世代の技術者育成を目指す教育プログラムが展開され、国際的な競争力を持つものづくり産業の発展に貢献することが期待されている。
従来の共同研究と3D PATCのアプローチの違い
従来の大学とメーカーによる共同研究では、主に2つの目的がある。
- 特定の機種の改善・R&D
企業と大学が協力し、特定の製品や機種の改善と研究開発を行う。これにより、効率的な製品開発が可能となる。 - ユースケースの開拓
共同研究により、新たな市場や応用分野の開拓が促進され、企業と大学が互いの知見を共有し、技術の実用化につなげることができる。
一方、3D PATCのケースでは、従来の共同研究とは異なるアプローチが採用されている。
- ユーザーに合わせた機種の提案
3D PATCでは、ユーザーのニーズに応じた3Dプリンターの機種を提案。これにより、ユーザーは最適な機器を選択し、効果的な製造プロセスを実現できる。 - ユーザーに対するコンサルティング
3D PATCでは、技術的なサポートだけでなく、ユーザーに対するコンサルティングも提供。これにより、ユーザーは3Dプリンティング技術を最大限に活用することができ、新たなビジネスチャンスやイノベーションを生み出すことが期待される。
このように、従来の共同研究と3D PATCのアプローチは、それぞれ異なる目的と手法を採用しており、3Dプリンティング技術の革新と普及に寄与すると共に、今後の製造業の変革において重要な役割を果たすと考えられる。
この「3Dプリンティング・アドバンスド・テクノロジーセンター」の開設により、東京大学とBrule Incは、3Dプリンティング技術を活用したものづくりの普及と、次世代の技術開発を推進することを目指すとしている。
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