3Dプリントを仮想空間で体験!

実機不要で3Dプリントの全工程を仮想空間で学べるリアルシミュレーターが登場

韓国の開発スタジオ 5MINLAB は、3Dプリンターを持っていなくても、仮想空間上でFDM方式の3Dプリント技術をリアルに体験できるシミュレーションソフト「3D Printer Simulator」を発表した。

「3D Printer Simulator」は、FDM(熱溶解積層方式)3Dプリンターの動作を精密に模倣したソフトウェアで、スライスデータの読込み、Gコードの実行、レイヤーの積層、ノズルの移動、リトラクション(引き戻し)、フィラメントの流量、Bowdenチューブの圧力遅延など、細かな物理挙動まで再現して一連の3Dプリント工程を、リアルタイムに観察・操作できる。
再現環境は倉庫風の作業スペースを模した3D空間で、カメラの自由視点操作や光源調整も可能。ノズルの透明化表示など視認性にも配慮されている。

また、Ultimaker CuraやOrcaSlicerといった一般的なスライサーで生成されたGコードを読み込めるほか、アプリ内でスライス処理を行うことも可能で、レイヤーラインやストリング(糸引き)などの出力痕跡も再現されており、出力トラブルの原因学習にも有用だ。さらに、タイムラプス動画の出力やGLTF形式でのエクスポート機能もあり、可視化やアニメーション制作にも活用できる。
今後はCoreXY、デルタ式、反転機構の3Dプリンターや、デュアルエクストルーダー、マルチカラー印刷などの再現にも対応予定で、圧力補正(Pressure Advance)や共振制御(Input Shaping)、ハードウェア構造の違いによる出力品質の影響など、より専門的な要素の導入も計画されている。

ソフトの開発環境にはUnreal Engineが用いられ、レイトレーシングによるリアルな描画が特徴。起動には第9世代Intel Core i5以上または同等のRyzen、8GB以上のRAM、NVIDIA RTX1660やAMD RX6000以上のGPUが推奨される。


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