セレンディクスが3Dプリンタ住宅デザインコンペを開催

住宅価格高騰の課題に3Dプリンター住宅で挑む新たな設計コンペ

3Dプリント技術を用いた住宅の開発・販売を手掛けるセレンディクスは、今回、初となる住宅デザインコンペ「令和版ハウス55開発プロジェクト」を開催し、建築系マッチングサービスのスタジオアンビルトにて、2025年12月14日まで応募を受け付けている。本プロジェクトは、3Dプリンターと3Dプリント技術を活用し、50平方メートルの住宅を“車を買う価格”で安定供給することを目的としたものである。

ウクライナでの復興住宅デザインイメージ

開催の背景

現在の日本の住宅市場は深刻な状況にある。住宅ローン借入時の平均年齢は44.5歳まで上昇し、完済年齢が70代後半に及ぶケースも珍しくない。さらに新築マンションの年収倍率は全国平均で10倍を超え、東京都では約18倍に達している。
こうした住宅価格高騰の問題は、実は約50年前にも国の課題となっていたが、当時、建設省と通産省が推進した「ハウス55計画」は、100㎡の住宅を500万円台で提供するという国家プロジェクトであった。しかし、物価高騰などの影響により、大量供給体制の確立には至らなかった。

セレンディクスは今、この理念を3Dプリンターと3Dプリント技術という新たな製造手法で令和版として復活させることを目指している。型枠を使わず、コンクリートを自動で積層して家を造る3Dプリンター住宅は、工期短縮・人件費削減・安定品質という強みを持つ。同社はこの技術を社会実装するため、次世代の住宅モデルを共につくる設計者を広く募る。

コンペ概要

  • 名称:令和版ハウス55開発プロジェクト
  • 応募締切:2025年12月14日(日)23:59
  • 賞金
    1等 114,000円
    2等 8,000円
    3等 5,000円
    アイデア賞 1,000円
    グラフィック賞 1,000円
  • 本採用特典:実際の3Dプリンター住宅として建設予定。別途、設計契約を協議の上締結
  • 応募URLhttps://www.studiounbuilt.com/compes/19186

※賞金はコンペにおける報酬であり、設計契約締結時の契約金は別途協議のうえ決定される。

募集内容

本コンペでは、以下条件を満たす3Dプリンター住宅のデザインを募集する。
3Dプリンターならではの自由な造形と構造合理性を生かし、「安い・早い・美しい」を同時に満たす住宅モデルの提案が求められる。

  • 延床面積50㎡、車を購入する価格帯で安定供給できる住宅
  • 夫婦2人世帯を想定した平屋住宅
  • 3Dプリンターによるコンクリート造で、屋根まで一体成型が可能な構造
  • 日本が得意とする「そぎ落とした美学」を体現した、シンプルで美しいデザイン

提出物

  • 意匠図、コンセプト、平面図・立面図(縮尺自由)
  • 完成イメージ(パース、スケッチ、模型写真など)
  • サイズ:A3
  • ファイル形式:JPG/PNG/GIF(PDF添付可)

関連記事

3DP id.arts の最新投稿をお届けするニュースレターへの登録はこちら

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でid.artsをフォローしよう!

     

ページ上部へ戻る