3Dプリンターで超伝導体を一発成形

3Dプリンターで超伝導体を一発造形、50テスラ級の性能を達成

米国屈指の名門校であるコーネル大学は、ブロックコポリマーと無機ナノ粒子からなる「自己組織化インク」を3Dプリンターで直接造形し、熱処理だけで多孔質の結晶性超伝導体に変換する新しい手法を発表した。

今回の研究で使用した「自己組織化インク」は、3Dプリンターで造形する過程で自然にナノレベルの構造が整い、最後に熱処理を加えることで多孔質の超伝導体が完成するため、従来必要だった粉末化や再焼成などの複雑な工程を省ける点が特徴だ。この方法により、原子レベルの並びからマクロな形状まで一度に制御できる。特にニオブ窒化物では、電子の動きを閉じ込める効果によって上部臨界磁場が40〜50テスラに到達。これは従来の製法では達成できなかった数値であり、医療用MRI装置や量子コンピューターなどの性能向上につながる可能性が高い。

研究チームは今後、チタン窒化物など他の化合物や複雑な形状にも応用を広げる予定だ。広い表面積を持つ多孔質構造は、次世代の量子材料やエネルギー関連デバイスの設計にも役立つと期待されている。


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