英国の駅に3Dプリント製トイレを設置

ChangeMaker 3D、英国の鉄道駅向けに3Dプリント製トイレを開発

英国に拠点を置く建設3Dプリンティング企業 ChangeMaker 3D は、3Dコンクリートプリンタメーカー CyBe Construction(以下 CyBe)と提携し、初のモジュール式3Dプリント・トイレを製作した。このプロジェクトは、ウェールズ交通局(Transport for Wales)との2年間に渡る共同開発プロジェクトで、英国全土の駅におけるトイレ不足の解消を目指している。

3Dプリントされたトイレ Photo : ChangeMaker 3D

このトイレは、地域社会の支援を専門とする米国の非営利団体 Clean Futures Fund の支援を受け、手頃な価格、迅速性、持続可能性を重視して設計された。ChangeMaker 3DのCEOであるナタリー・ワドリー氏によれば、英国の建設業界は国内のCO2排出量の25%を占めているが、3Dコンクリートプリントは、浴室の壁を5時間以内で製造でき、従来の工法と比較してCO2排出量を60%削減できるという。またこのトイレには、雨水貯留と屋根にソーラーパネルが組み込まれており、エネルギー効率を高めている。

3Dプリント製トイレの内部

英国では、すべての公共鉄道駅にトイレを設置する計画が進められているが、地方では依然としてトイレなどの基本設備が整っていない地域があるという。ウェールズの鉄道事業者であるウェールズ交通局はこの問題を解決する有効な手段として建設用3Dプリント技術に着目し、ChangeMaker 3Dと協力。同社は、建築物納入パートナーである Baily Garner LLP と共同で、持続可能なトイレを設計。トイレの3Dプリント製造を請け負ったCyBeが、オランダの施設で3つのセクションに分けた3Dプリント壁を製造した。

3Dプリントされたトイレ壁は、非営利の研究技術組織である Black Country Innovative Manufacturing Organisation(BCIMO)に運ばれ、3Dプリント構造物に対し、従来の防湿処理が必要かどうかを評価し、3Dプリントと従来の材料や建設手法との関連性についてテストされた。

ワドリー氏は「このプロジェクトは、従来の手法と3Dコンクリートプリンティングを組み合わせた新しい建設方法を構築する絶好の機会です」と述べており、より環境に優しく、より迅速で、より費用対効果の高いアプローチを提供できる3Dプリント技術を、インフラ全体に適用することを検討している。


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