世界初の3Dプリント製ロープウェイ駅が完成

チェコの建設会社ICE、世界初となる3Dプリント技術を用いたロープウェイ駅を建設

チェコの建設会社 ICE は、世界初となる3Dプリント技術を用いたロープウェイ駅の建設を完了した。革新的なデザインと持続可能性を両立する本プロジェクトは、周囲の自然環境に溶け込みつつ、ダイナミックで機能的な建築を実現している。
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この建物のコンセプトは、自然に転がる「岩」をイメージしたもので、ロープウェイ運行部と利用者向けのデイルーム(利用客が休憩や待ち時間を過ごすための空間)の2つから構成されている。
独自に開発した3Dコンクリートプリント(3DCP)によって、外装・内装・断熱を一体的に成形することで建築工程を効率化し、デザイン性と機能性を高い次元で融合させた3Dプリント壁面には2種類のテクスチャが設けられ、下部は水や空気を遮断する滑らかな仕上げ、上部は岩肌のような質感を表現している。

本ロープウェイ駅は、単一の3Dプリンタを活用し、プレキャスト部材を工場で製造すると同時に、一部は現場で直接積層造形することで、プロセスの正確性とスピードを高めている。加えて、建物には緑化屋根を採用し、周囲の自然に調和しながら断熱効果を高める設計を行った。また、アルミ製の固定窓には換気用のスリットが設けられ、開放的かつ快適な空間が生み出されている。
周囲には段状のランドスケープデザインが施され、訪れる人々にリラックスできる憩いのスペースを提供している。

今回完成したロープウェイ駅は、3Dプリント技術がもたらす新たな建築・インフラの可能性を示すものであり、技術、機能、そして環境配慮を融合させた世界初の3Dプリント・ロープウェイ駅は、これからの建築における持続可能なイノベーションと、未来のインフラ整備の新基準を提案する画期的な事例となっている。


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