インド軍、500基超の3Dプリント製バンカーを設置

MiCoBが3Dプリント技術を活用しインド軍へ500基超の高耐久防御拠点を短期間で提供

インドを代表する3Dコンクリートプリンティング企業である MiCoB は、独自の3Dプリント技術を用いたコンクリート構造で、インド陸軍向けに500基以上の防爆・耐弾性を備えた防御拠点を納入した。3Dプリント技術を活用することで、従来45日かかっていた建設期間を7日以内に短縮し、厳しい自然環境で活動する部隊の安全性と即応性を大きく高めている。

各拠点は、「Permanent Defences(PDs)」とも呼ばれ、砲撃や爆発の衝撃に耐える構造を持ち、さらに断熱性や居住性を高める設計を特徴とする。従来の手作業主体の建設方法では約45日を要していたが、MiCoBの3Dプリンターを用いた自動施工により7日未満で完成するため、軍事活動の即応性を高め、危険地域での迅速な展開を可能にする。

MiCoBが開発した独自配合の3Dプリント用コンクリート材料と専用プリンターは、強度と施工性の両面で従来工法を上回る性能を示している。2022年にはインド・ポカランでT90戦車による強力な兵器試験を含む射撃テストを実施し、複数回の検証で高い耐久性が確認された。
さらに同社はこれまでに全国で650棟以上の3Dプリント建築物を提供しており、世界最大規模の施工量を誇る。世界初となる運用可能な5つ星3Dプリントリゾートの建設実績も持ち、従来工法と比較して2万トン以上の建築資材を削減した。
環境負荷を抑えつつ建設スピードを向上させるという同社の取り組みは、軍事だけでなく民間建設にも影響を与える重要な潮流となっている。

3Dプリンターを活用した防衛インフラの構築は、従来工法に比べて迅速・高耐久・省資源という利点を持ち、未来の国防技術の大きな柱になると期待されている。インドでは、政府機関や民間企業の協力により、この技術が持続可能な建設モデルとしてさらに普及する見込みだ。


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