- 2025-4-28
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3Dプリント×植物素材でイカリングのリアルな食感を実現
近年、3Dプリンターを活用した食品開発が注目される中、米国を拠点とする科学団体アメリカ化学会(According to the American Chemical Society:ACS)発行の「ACS Food Science & Technology」誌にて、微細藻類や緑豆タンパク質を主原料とした植物由来のイカリング揚げ(calamari)を高精度に再現した研究成果が報告された。
研究チームは、以前から微細藻類と緑豆タンパク質を使用したヴィーガン向けイカリング揚げを開発していたが、食感に課題を抱えていた。今回、新たにレシピと3Dプリント条件を最適化し、衣を付けて揚げた際に本物のイカにより近い食感を再現することに成功した。
研究チームは、緑豆タンパク質分離物、微細藻類パウダー、ゲランガム(増粘剤)、キャノーラ油(脂質)を組み合わせた複数のレシピを検証。高機能な3Dフードプリンター「FOODINI」を使用して、直径約4.5cmのリング状に3Dプリントし、冷凍後にバッター(小麦粉、鶏卵、牛乳などを配合した衣生地)を付けて揚げるという工程を採用した。
ラボで実施したテストでは、硬さ、弾力性、一体感といった食感の指標を測定。その結果、1.5%のゲランガム、2%のキャノーラ油、10%の微細藻類を含むレシピが、最も本物のイカに近い特性を示した。また、顕微鏡観察により、内部構造に形成された微小な空隙が柔らかさに寄与していることが確認された。さらに、最適レシピでは植物性カラマリが19%のタンパク質を含み、天然のイカ(約14%)を上回る栄養価を持つことも判明した。
今回の研究は、3Dプリンターと植物性原料を組み合わせることで、よりリアルな代替シーフードを実現できる可能性を明確に示した。研究チームのリーダーであるVijayan氏は「この研究は、3Dプリント技術を通じて持続可能な植物性タンパク質を本物に近い食感のシーフードに変換できる可能性を示している」と述べており、持続可能な食料供給やヴィーガン需要の拡大に向け、3Dプリント技術が今後果たす役割に大きな期待が寄せられている。
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