- 2025-11-11
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AI設計と金属3Dプリント技術で直径600mmの2MN級噴射器を一体造形
アラブ首長国連邦のドバイを拠点とするAIエンジニアリング企業の LEAP 71 は、Nikon SLM Solutions と連携し、AI計算設計「Noyron」とNikon SLM Solutionsの大型造形機「NXG 600E」を用いて、直径600mm・推力2MN級FFSCロケットエンジン用の噴射器ヘッドを金属3Dプリンターで一体造形した。

LEAP 71は、メタン/液体酸素を用いる2MN級FFSC(フルフロー段階燃焼)ロケットエンジン「XRB-2E6」の要部である噴射器ヘッドを検証し、NXG 600Eと航空宇宙級ニッケル合金IN718で、直径600mmの大型一体構造部品を造形した。造形時間はIN718専用パラメータで4日未満とされ、従来数週間かかる開発を大幅に短縮した。

設計には、LEAP 71の大規模計算設計モデル「Noyron」が用いられ、高レベル仕様から自律的に形状を生成。AIによる生成は従来の手作業モデリングを前提としないため、形状最適化と製造制約の両立が容易になり、試作—検証の反復を加速できる。
一方、部品の3Dプリントに利用されたNXG 600Eは、最大級のレーザー粉末床溶融(L-PBF)装置で、12本の1000Wレーザーと大容量ビルドで大型部品の高速造形に対応する。Nikonの技術資料では、600×600×1500mm級の造形能力が示されており、大型・高出力機器の実用製造に用いられている。

本案件は「メガニュートン級」へのスケールアップという点でも意義が大きい。LEAP 71はこれまで小型エンジンの3Dプリント検証を重ねてきたが、2MN級の噴射器一体造形は、商業宇宙分野での大出力機関への3Dプリント技術適用を後押しする。実機での実動試験は2027年Q4を予定し、同社は量産化プロセスやサプライチェーンの事前検証も進めている。
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