高精度セラミック3Dプリンタ「Ceramo One」登場

ウクライナのスタートアップが高速・高精度なセラミック3Dプリンタ「Ceramo One」を開発

ウクライナに本拠を置く、3Dプリンタベンチャー「Kwambio」は、従来製品を凌駕する工業用セラミック3Dプリンタ「Ceramo One」を開発。CES 2018でお披露目後、2018年1月から予約注文の受付を開始する。

2015年ウクライナで創業したKwambioは、3Dプリント技術を用いたセラミック製品と金属製品の製造と販売を手掛ける3Dプリンタ関連ベンチャーで、ウクライナのオデッサと米国のニューヨークにあるオフィスから、米国とヨーロッパを中心に10,000点以上の3Dプリント製品を提供している。

そんなKwambioはこの度、Empire State Capital Partners(ウクライナ)とImpulse VC(ロシア)から約50万ドルの資金を調達し「Ceramo One」と名付けられた独自の高精度セラミック3Dプリンタを開発。

Ceramo Oneのプロトタイプモデルは既に同社オデッサ工場にインストールされ、試験運転が行われている。

工業レベルの高精度セラミック3Dプリンタ

Ceramo Oneは、従来のセラミック対応3Dプリンタよりも高速で、160mm/sのプリント速度と20ミクロンの優れたプリント精度により、写真のようなセラミック製カップを2〜3時間程度で造形することができる。

また、Ceramo Oneはセラミックスプリントの造形コストを、約8セント/1平方センチメートルまで抑えることに成功。これは、従来のセラミックス対応3Dプリンターの平均コスト(約12〜15セント/1平方センチメートル)を上回る低価格化を実現したことになる。

詳細スペックについては未だ公開されていないが、Ceramo Oneは多種多様な粘土ベース粉末を使用し、最大で350x350x380mmまでの製品プリントに対応するとされている。

Kwambioには現在、独自の材料技術とカラーソリューションにより実現した約100色のセラミック粉末材料と、航空宇宙産業用の金属部品鋳造及び工業用部品プリントに特化したセラミック粉末が存在している。

Kwambioは、1月9日から1月12日までラスベガスで開催されるCES 2018にCeramo Oneを出展。CESを機に予約注文の受付を開始する予定で、推定価格は25,000ドルと示唆している。

同社は過去に、Shapewaysなどのサービスビュローと協力し、オンデマンド3Dプリント製品の展開を行う予定でいたが、オーダーから5週間も待たなければならない事に限界を感じ、自社スタジオを設立。自社内での製造に切り替えたことで、それまでの2~3倍までリードタイムを短縮し、デザイナーや独立系スタジオと協力した独自の3Dプリント製品(雑貨やジュエリーなど)の開発と販売を行っている。


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