従来の25-100倍の速度を実現した革新的光造形技術が登場

Carbon3Dの革命的な光造形技術CLIPテクノロジは従来の光造形の25-100倍の高速化と超高精細を実現!

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2013年に設立されたCarbon3D(本社:カリフォルニア州レッドウッドシティ)によって生み出された新しい造形技術「CLIP」テクノロジは、従来の光造形技術の常識を覆すような革新的なテクノロジです。
Carbon3Dは、米国の著名大学教授をはじめ、ハードウェア、ソフトウェア技術、分子科学の博士など各分野の専門家が名を連ねるベンチャー企業。彼らによって生み出された「CLIP(Carbon3D’s layerless continuous liquid interface production technology)」は、従来の光造形(SLA)技術のように3Dモデル断面を層毎に硬化させる造形手法とは異なる新しい技術であり、現存する光造形プリンタの25倍~100倍の高速化と高精度化を実現しています。

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造形速度の比較図

コンタクトレンズのように、光と酸素を透過する特殊なウィンドウを介し、光と酸素流量を制御。この透過台上にある樹脂層内にある薄い未硬化樹脂層(デッドゾーン)通して酸素フラックスを制御することにより、光硬化樹脂をミクロン単位でコントロール。従来のようにプラットフォームの移動~硬化のような静止動作を必要としないため、連続した​​シーケンスによるUV硬化が樹脂浴内で実行される。これにより、積層跡を持たない超高精細なミクロンレベルの光造形を可能にしています。
従来技術のように3Dモデルの断面画像を光やレーザーで硬化させるのではなく、光と酸素を制御した樹脂層内部で硬化が実行されるため、非常に短時間で高精度な造形が可能になっています。旧来の光造形で必須であったサポート材なども不要(あるいは軽減?)になっています。

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これほどの造形速度(映像は7倍速)でありながら、樹脂槽内で硬化が進んでいるのが映像からも確認できます。

CEO兼共同創業者であるジョゼフ·デシモン博士は「現在の3Dプリント技術は、製造界に革命を起こすことは出来なかったが、当社のCLIPテクノロジは、複雑な商用品質部品が提供可能である」としています。

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下動画では、高弾性素材をベースとした造形物のデモを観ることができます。このように、高強度&耐熱性を保持した高弾性素材による造形技術が進歩すれば、スポーツシューズや自動車部品などへの適用も可能となります。また、このCLIP技術をベースとした様々なタイプの材料への対応が進めば、実用ベースの高精度造形は現実味を帯びてくるでしょう。

つい先日、オートデスクSparkに関する記事『材料樹脂までもオープンソース化Autodesk Spark』などお伝えしたばかりですが。今回ご紹介したCLIP技術のような革新的なテクノロジの登場は、従来(旧来)の技術をベースとした光造形機器にとっても大きな転換期となるかもしれません。


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