宇宙飛行士の排泄物から3Dプリント材料を生成

人間の排泄物から3Dプリント材料を生成し長期宇宙旅行で活用

米国クレムソン大学の研究チームは、人間の排泄物をリサイクルし3Dプリント用フィラメントを生成する技術を開発している。

宇宙空間(微小重力空間)や他惑星で利用できる3Dプリント技術を開発するNASAやその関連機関は、長期間に及ぶ宇宙飛行で必要となるスペアパーツや食料の生成に必要な技術や材料の研究開発をおこなっているが、クレムソン大学によって開発されているこの新材料は、宇宙飛行士の排泄物(尿)と呼気二酸化炭素、特定の酵母をベースに生成される特殊混合材料で、生成された材料は機械的性質を有するポリマーへ変換され、スペアパーツや新しいツールなど、長距離ミッションで必要とされる道具などを3Dプリントするための材料(フィラメント)として用いることができる。

また、排泄物と酵母の混合物となるこの特殊材料からは、3Dプリント用ポリマーだけでなく、人の健康に不可欠なオメガスリー(ω-3)脂肪酸のような必須栄養素を生成することもできるという。

研究チームは現在、3Dプリント可能な少量のポリマーや栄養素を生産することに成功しており、今後の研究でより大量に生成できるシステムを開発しようとしている。
この研究により高効率な材料生成が可能となれば、宇宙船の総重量削減も可能となり、長期間に渡るミッションの成功率が飛躍的に向上する可能性を秘めている。


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