医療大麻専用3Dプリンタ「MannaBot One」

より安全に医療大麻経皮パッチを生成できる世界初の専用3Dプリンタ『MannaBot One』

2015年、製薬化学者と大麻の専門家グループによって設立された医療大麻専門企業「Manna Molecular Science」は、パートナー企業「MannaRobotics」から医療大麻経皮パッチを製造するための専用3Dプリンタ「MannaBot One(通称 MB1)」をリリースした。

MannaBot Oneは、医療大麻を吐出する押出機と専用のコントローラボックスで構成された3Dプリンタで、プログラムされた最適な量の大麻抽出物および賦形剤をManna Molecular Scienceの経皮パッチに送達し、カスタマイズされた医療大麻経皮パッチを生成する。

日本でも物議を醸した「医療大麻」は、米国の一部州や、カナダ、オランダ、オーストリア、イスラエル、スペイン、フィンランド、ベルギー、イギリス、ドイツ、オーストラリア、コロンビア、ジャマイカなどで使用が認められており、大麻製剤を専門とする一部企業からは「線維筋痛症」や「糖尿病性神経障害痛」などの病気で苦しむ患者への有効な鎮痛剤として、数種類の大麻系薬剤などが提供されている。

線維筋痛症と言えば、アメリカを代表する人気歌手レディー・ガガが公表した疾患であり、ツアー活動延期の理由とされている。全身に激しい痛みを伴う線維筋痛症は、原因不明の病気とされ、現在も完治させるための薬が存在していない。

そのような病に苦しむ患者への治療薬として注目される医療大麻だが、経口や注射による経口方法よりも、より安全に正確に服用するためのツールとして経皮パッチが注目されている。

同社の3DプリンタMB1は、ソフトウェア上でプログラムされた適切な量の医療大麻薬剤を経皮パッチに塗布することを目的に開発されており、生成された経皮パッチを患者の皮膚に貼ることで、薬剤がゆっくりと患者の血流に吸収され、従来の経口方法よりも安全に鎮痛効果を得ることができるようになる。

3Dプリント技術による医療大麻経皮パッチは、決まった量の薬剤が含まれる市販の同類製品と異なり、個々の患者のニーズに合わせ、薬の強度などを簡単に調整することが可能となる。また、世界中何処のライセンシーが利用したとしても、常に安定した品質と効能を有する経皮パッチが製造できる点も、3Dプリント技術による大きなメリットの一つと言える。


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