3Dプリント水処理装置で安全な飲料水を

3Dプリント製の水処理システムが1日35リットルの清潔な水を生産する

英国バース大学の研究チームは、アジア、アフリカ、中南米地域の貧困地域に安全な飲料水を提供するため、3Dプリント家庭用水処理(3D printed household water treatment 以下 HWT)システムを開発している。

HWTの研究プロジェクトは、途上国の貧しい地域に対し、効率的で低コストに清潔な水を提供するため、3Dプリント製のプラスチックろ過装置を開発。

迷路のようなデザインの3Dプリントデバイスは、太陽光による消毒方法「SODIS法(Solar water disinfection 太陽光で水を殺菌する方法)」をベースに開発されており、3Dプリント製プラスチックスラブを流れる水が、太陽からの熱と紫外線により汚染された水に含まれる有害な病原菌を殺菌。
40cm×40cmサイズのスラブで、1日あたり約35リットルの水を処理することができると推定されている。

研究チームは、FFF/FDM方式3Dプリンタが設置されたローカル環境であれば、材料費$6.50でこの3Dプリント製処理装置を製造することができるとしており、チームはHWTシステムの試験環境として、アフリカ大陸南東部の内陸国マラウイを設定。ローカル環境に設置された3Dプリンタを使用した事例研究を行う予定である。

※ WHOの統計では、アフリカ諸国など貧困地域を中心に、全世界で毎年300万人以上の人間が不衛生な水による病気で死亡している。SODIS法は、この問題を解決するために考案された低コストな水処理方法で、染水を透明なペットボトルやガラス瓶に積め、太陽光のあたる場所に約6時間置くことで、紫外線によって下痢の原因となる病原菌を殺菌する仕組みとして考案された。


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