3Dプリント技術でサンゴ礁を復活させる

3Dプリント珊瑚が世界中で死滅する珊瑚礁の復活に希望をもたらす?!

海水温の上昇や二酸化炭素の影響、急激な気候変動などにより深刻なダメージを受けている世界各地の珊瑚礁。
日本でも、沖縄県西表石垣国定公園内の礁湖海域で発生した珊瑚の白化現象に関する調査結果(西表石垣国立公園 石西礁湖のサンゴ白化現象の調査結果について/環境省資料 2017年1月)が報告されるなど、世界各地で珊瑚礁の白化(骨格部分が露呈し白く見える現象)や死滅が深刻化。多くの海洋生物の棲息地である珊瑚礁の死滅により、生態系に大きなダメージを与えている。

これまでにも3Dプリント技術を利用した珊瑚礁復活プロジェクトが誕生しているが、今回新たにスタートした本プロジェクトは、海洋研究企業Seaboostが、建築向け大規模3Dプリント技術を開発するフランス企業「XtreeE」と協力し開発した3Dプリント製人工珊瑚で、現在フランスのカランク国立公園内に設置され、運用試験がおこなれている。

この3Dプリント珊瑚は、実物の珊瑚の複雑な構造を正確に再現するため、3Dスキャナを使用して得られた地域周辺の既存の珊瑚のスキャンデータに基づいて再現されており、地域に生息する海洋生物の新たな生息地として活用されることが期待されている。

何百年もの歳月を経て成長する珊瑚礁が壊滅速度を考えると、人工珊瑚による回復は急を要する案件であり、多くのテクノロジーが注がれるべきプロジェクトである。
今後、材料研究とバイオ3Dプリント技術の開発が進めば、より実際の珊瑚に近い3Dプリント人工珊瑚を生成することが出来るようになり、世界各地で壊滅的な被害を受けている珊瑚礁群を復活させることができるようになるかもしれない。


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