人間以上の筋力を有する3Dプリント筋肉

コロンビア大学の研究者は人間よりも強力なパワーを有する3Dプリントソフトアクチュエータを開発

ニューヨークのコロンビア大学エンジニアリング部門、コロンビア・エンジニアリング(Columbia Engineering)の研究チームは、外部の圧力調整装置を必要としない拡張能力を備えた3Dプリント合成軟質筋肉を開発した。

従来のソフトアクチュエーターは、空気圧または水圧などによって膨張する方法を採用していたため、高電圧機器やコンプレッサーなど、圧力調整のための外部装置を必要としていたが、この新しいソフトロボティクス技術は、それらの外部デバイスを必要としない内蔵型のソフトアクチュエータとして機能させることができる。

合成軟質筋肉の生成には、特殊な2種類のソフトアクチュエータ用軟質材料を充填したシリンジポンプを、デスクトップタイプ3Dプリンタに取り付け使用する。

正しい形状で3Dプリントされた合成筋肉にワイヤーを取り付け、8ボルトの電力を使用し、電気的に人工筋肉を作動させることができるようになる。

また別のテストでは、電気的に80℃に加熱した際に最大900%まで膨張することも確認されており、この膨張収縮能力が、大きな範囲の運動タスクを実行できることを証明している。

3Dプリントされた合成軟質筋肉は、人間の筋肉の15倍のひずみ密度(1グラム当たりの膨張)と低密度を組合わせた能力を有しており、自重の1,000倍の重量を持ち上げるパワーを発揮。
近い将来、この3Dプリントソリューションによって生成された筋肉を組合せることで、押す・引く・曲げる・ねじる・持ち上げるといった人間同等の複雑な筋肉の動きを再現しようとしている。

また、安価な材料から生成することができるこの3Dプリント筋肉は、低コストで環境にやさしく、かつ製造も容易なソフトアクチュエータを備えたロボット開発に最適な3Dプリントソリューションを提供する。

研究チームは現在、埋め込み式ワイヤーを導電性材料に置き換え、応答時間を短縮する方法などを研究しており、将来的には人工知能を使用した3Dプリント筋肉の制御方法の開発を進めている。


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